1st full album『ライフイズビューティフル』Release【SPECIAL INTERVIEW】

FUNNY THINKの1st full album『ライフイズビューティフル』そのリリースが2022年4月20日と決まり、SNSでの告知が始まった。そこには「#NOWAR」と添えられていた。

アルバムでは1曲目から「今日を生きている」と歌われる。

「We Are All Right(=俺たちなら大丈夫)」と歌われる。

「散々な時代を乗り越え君の手を取り何処まででも」と歌われる。

「人生は美しい」そんな名を付けられたアルバムは不安定で先が見えない今この時代を共に生きる我々への応援歌として響く。

待望のリリースに向けては、去年10月に「東北全体会議 in APPI」でもステージを共にしたMAN WITH A MISSION・ト―キョ―タナカ氏からTwitter上で愛あるコメントが届くなど、すでに各方面から注目度が高まっている。

そんな記念すべき1st full albumについて金野一晟(G,Vo)、森亨一(Dr,Cho)、Marcy(B,Cho)の3人に語ってもらった。


―1st full album『ライフイズビューティフル』が完成


金野)1st Single『僕らはきっと美しい』のリリース前から「アルバムを作りたい」という思いはあって、勢いがあるものを作りたいなと考えていました。(2019年に)ベースがMarcyに変わって、3人で作品をイチから作るのはこれが初めてになるので、そういう意味ではFUNNY THINKの最終形態にたどり着いたというか、これで走っていくぞ、という「決意の1stフルアルバム」になったと思います。


森・Marcy)気合は入るよね!


―今作の曲作りは3人でどういうプロセスをとっている?


金野)俺がまず弾き語りっぽい感じで一人で作るんです。恥ずかしいことに、今っぽくパソコンを使って作るとかは出来ないので(笑)弾き語りで作ったものをボイスメモに録音し、頭の中でドラムの感じとかをイメージして、それをメンバーに聴いてもらい、スタジオに入って肉付けをしていった。なので超アナログな作り方だと思います。


森)昔から一晟の作るメロディーに関しては及第点以上かなとは思っていましたが・・・


金野)ウザッ(笑)


森)いつも70点くらいを前後していたのが、今回だいたい90点…前後をいってるな、と感じました。整ってるんだなと、曲の粒立ちが良くなっているなというのは分かりましたね。


一同)(笑)


森)ドラムもやりやすくなった、イメージを浮かべやすくなった。いつもは曲のイメージを話し合ってドラム・ベースを加えていくんですが、今回はもとからイメージが合致するところが多かったです。


Marcy)今回はその曲の情景とか風景が浮かんできやすい曲がたくさんありました。自分がベースラインを考えていても、今までしてこなかったプレイや使わなかったフレーズとかを入れられたり・・・技術的に幅が広がってきたものを音源の中に詰め込めた。今までの良さもありつつ、新しい部分も見せることができるのかなと思います。


―先行シングルとしてリリースされた「5.僕らはきっと美しい」はYouTubeでのLazy Lie Crazy【レイクレ】とのコラボレーションを受け、MVは(執筆時)再生回数36万回を突破。

プロ野球・東北楽天の鈴木翔天投手(岩手・富士大学出身)が今シーズンの登場曲に選曲するなどすでに広く各方面に届き、愛される曲になっています。


金野)やっとじゃないですかね。FUNNY THINKといえば、という代表曲になったと思います。


森)それこそ曲が一人歩きするようになったというか、より色んな人のところに届くようになって、そうなってから今聴くと改めて良い曲だと思うし、ツアーのことも含めて情景が浮かぶし、今の時期も影響して個人的には卒業のことを思い浮かべたりして・・・宝物みたいな曲ですね。


Marcy)今こうして色んな人に届いて、色んな人が良い曲だと言ってくれたりして、あぁ間違いなかったと感じた。自分たちが今まで積み上げてきたことも肯定してくれるし、聴いてくれた人のことも全肯定してくれる良い曲だと思います。


金野)冒頭の歌詞はツアーの車中でスマホにメモしてたものなんです。それを一字一句変えずにそのまま使ってて。「背中を押し合う」って歌詞はもともと「手と手を取り合う」だったんですよね。ただ・・・「俺たち別に手と手を取り合ってないな」とメンバーと話して(笑)俺もこの冒頭の歌詞がすごく好きですね。自分も鼓舞されます。

ツアーは大変なことがあった中でも楽しいこともあって、コロナ禍の、そんな状況でもやりたいことをやれている、やらせてもらっている、というところで瞬発的に書いた歌詞だが結果的に今一番言いたいことを言えた気がします。


―コロナ禍で全国35カ所を回った1st mini album『陽はまた昇る』のツアーや1st Single『僕らはきっと美しい』でのツアーの経験が今作に反映されている?


金野)「7.陽はまた昇る」は(mini album)『陽はまた昇る』のツアー中の話を歌っているんですよね。なので、同じタイトル付けちゃえ、と思って。イントロはMarcyが考えてくれて。


Marcy)提案したフレーズがこの曲とマッチして使ってもらいました。アルバムを通して一番大好きな曲なので嬉しかったですね。あのツアーで得たものって自分にとってもめちゃくちゃデカかったので。自分は元々ツアーをしたくてバンドを始め、FUNNY THINKに入って初めてのツアーとして35本回って、自分のやりたかったことが叶って楽しいし、うれしいし、だけどやっぱり金も無いし、ちゃんと寝られないしみたいな大変なところとかもあったりしたけど、なんだかんだ言って盛岡に帰ってくると思い返して楽しかったなって思って・・・バンド好きなんだな、音楽好きなんだな、やっていてよかったなと思える瞬間が増えたと思う。自分としては、あの時のツアーの一つひとつのそういう情景が最初に浮かんでくる曲になっています。


―収録曲全12曲のうち7曲が尺3分以下ですね。


一同)(笑)そんなに短いんだね。


金野)あー、時代にそぐわないとは思います(笑)今基本長いんじゃないですか?


Marcy)長い長い。


金野)昔から聴いてきた人たちの曲が短かったんで、そこに影響を受けているあまりそういう風になっちゃっていますね。「1.We Are All Right」なんてもともと50秒くらいの曲だったんですよ。打ち合わせで「ちょっともったいないよな」という話になり、伸ばしていったら「こっちのほうが良かったね」と。歌詞の「今日を生きている」というフレーズだけじゃないが、生きるか死ぬかみたいなことはとても大切にしているつもりで、しかもこういう時代で。あ、「散々な時代を乗り越え」って歌っているのって今の新型コロナ禍のことを言っていて。


森)初めて50秒のものを聴いたときは「衝動」を第一に思い浮かべました。「勢い!」「衝動!」「生きざま!」以上、っていう「漢の3連単」というか(笑)だからドラムも勢い先行で行こう、と。


Marcy)その中でもBメロでは少しおとなしい落ちる感じのところもあったりして、こういう風な時代ということもあるし、その中でツアーとかやったりして、という色んな情景も浮かんできたりしたので、それを踏まえてベースラインを考えました。


―そうして3人で合わせる中で曲が形作られていくんですね。


金野)「9.夏の記憶」はこの中では結構古い曲で、ライブでも演奏したことがあるんですけど、今回レコーディングを経て研ぎ澄まされた曲だと思う。もともと間奏があったんですがカットしたり。


森)客観的な意見って大事なんだなってことに気付かされた曲です。


金野)この曲は昔からライブでやってて良かったかも。和メロというか日本っぽいメロディなんだけれどもシンガロングするという、あまりない雰囲気を出せている曲だと思います。


ー「2.君への歓声」や「5.僕らはきっと美しい」を筆頭に力強く鼓舞してくれる歌詞もあれば、「理想には遠いけれどマイペースで行こう」と歌う「6.(No)minority」や「素直でいい 自分らしくあればいい」と歌う「12.So long」のような温度感の歌詞も魅力的です。


金野)「6.(No)minority」は自分のことを素直にダラダラ歌った感じ。「12.So long」はバンドマンの先輩が大学を卒業するタイミングで盛岡から東京へ行ってしまうということがあって。仲良かった友達が上京する、というときに書いた曲。たとえバンドをやらなくなって、音楽をやらなくなったとしても、友達であることに変わりはないじゃないですか?別に音楽を辞めたからといって友達でなくなるわけではない、飲みに行かなくなるわけじゃない、という思いがあって書きましたね。


―「8.逆光」はMVの制作も決まったそうですね。


金野)「8.逆光」は結構好きなんですよね。FUNNY THINKとしての進化を見せられる曲だと思います。曲としてしっかりしていて、メロディーもすごく好きでシンガロングもありつつ、ちゃんと全部に納得ができるというか。昔の曲だと「ここはああしておけばよかったな」とか、「なんかメロディー弱いな」とか考えちゃうんですけど、この曲は全部が自分で納得できて、今の自分が作れる曲だと一番良いのかなって。


森)アルバムを通しても多分トップレベルで情景が浮かびやすいし、曲としても今までにはないようなちょっと大人っぽさというか、ビターな感じというか、だけどエッジも効いているみたいな曲になっている。ライブでこれからやっていく上で、かなり気持ちが入ってしまうと思います。俺も好きな曲ですね。


Marcy)FUNNY THINKの強みや良さの一つは、3人で歌う「シンガロング」だと思う。このサビで3人で一気に「僕らは~」って入って行くところで食らわせられると思う。


金野)「2.君への歓声」もシンガロング多いですし。多すぎてほとんど全員で歌っている。


Marcy)半分以上は一緒に歌ってるね。


森)ほんとに疲れます(笑)


―シンガロング、みんなで歌っていう感覚が出てきたのは


金野)やっぱり(以前、対バンした)弘前のバンド・S.P.N POWERの影響じゃないですかね。

ハードコア調の「4.CHANGE」はG-FREAK FACTORYやBRAHMANに昔から憧れていて、あの訴えかけてくる感じ、そのスタンスが良いなと思っていて、意識したのはメッセージ性を出していきたいということ。たしかニュースで人種差別の問題に触れて、色々調べていく中で書いた曲なんですよね。自分に対して、自分たちを奮い立たせる意味で言っている部分もあります。


―ファンからすると新しい一面が見られる曲も多いですね。


金野)「3.アイワナビーウィズユー」は今まで作ってきた曲の中で一番BPMが速い。ライブ映えしそうですよね。Bメロを筆頭にベースが恰好良いから良く聴こえるというところもあると思います。


森)レコ―ディング、一番大変だった曲かも。他にも、「6.(No)minority」の演奏面は完全に遊び心を持って作りました。歌詞とかを見るとちょっと卑屈なんですけど、俺は「ハッピー野郎」なので(笑)ドラムもハッピーに。


Marcy)普段のFUNNY THINKの曲調ではないですよね、歌詞の感じと森さんの言うそのギャップがいい味を出している気もしていて、俺も今までと違う感じを表現しようと思えた曲でもあります。


金野)「10.カゼノシラセ」で3拍子を使ったのも今までなかった新たなチャレンジですね。ラブソングも今までになかったし。実は去年自分の祖父が亡くなった時にそのタイミングで書いた曲なんです。でも、ラブソングとして聴こえさせたい意図もあったので。あまり亡くなったというのが丸わかりだと聴いてくれる方もちょっとしんどいじゃないですか。そんな意図もあって。

弾き語りの「11.ライブハウス」を入れたのは、色んな人のフルアルバムを聴いていても弾き語りが1曲入っているとちょっとうれしくなるんですよね。聴きやすいし。歌詞は俺のことを歌っていますね、完全に。特に「意地張って、やりあって~明日は来て」までなんて完全に俺のことですね。ライブでも長尺のワンマンなどでは披露してみたい。


―最後に、アルバムを聴く人にメッセージを


金野)今コロナ禍でもあり、世界全体が暗い時代でもあると思う。若者の自殺率も上がっていたり・・・。本当に辛い人って辛い時に音楽は聴かないと思うし、俺は無責任に人に頑張ってとは言えないけど、一緒に俺も頑張るからお前も頑張れよっていうようなメッセージを届けられたら。俺はバンドやって音楽やって頑張っているからお前も頑張れよっていうメッセージが伝わってくれたら。


森)このアルバムをトータルで見ると応援歌だと思っています。一歩踏み出せないときとか、この時代、パンデミックだったり色々あるけれど、少しでも明るくなれるように、少しでも勇気が出るように。俺たちも聴く人も同じ時代を生きているので、同じ時代を生きる人たちへの応援歌として色んなところで聴いてもらえたら嬉しいです。

 

Marcy)この12曲は色んな人の背中を押してくれるような曲たちだと思います。アルバムタイトルも「ライフイズビューティフル」。これを聞いた人たちがちょっとでも「生きててよかったな」とか「何か頑張れるな」とか一つひとつの瞬間を全肯定してくれるような曲たちが揃っていると思います。


金野)去年の9月にリリースしたシングルのタイトルは「僕らはきっと美しい」

“きっと”ってあいまいな表現だったんですよ。それを今回「ライフイズビューティフル」というタイトルで完全に肯定した。それは意識しました。

人生は美しいよ、っていうことを証明出来たらなって思っています。


取材:フリーアナウンサー・中尾考作


■2022.4.20. RELEASE

1st full album「ライフイズビューティフル」


TRK.01 We Are All Right

TRK.02 君への歓声

TRK.03 アイワナビーウィズユー

TRK.04 CHANGE

TRK.05 僕らはきっと美しい

TRK.06 (No)minority

TRK.07 陽はまた昇る

TRK.08 逆光

TRK.09 夏の記憶

TRK.10 カゼノシラセ

TRK.11 ライブハウス

TRK.12 So long


品番:FBRC-0003

価格:¥2,750-[税込]

発売元:FIGHT BACK RECORDS

販売元:PCI MUSIC


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